ぼくのおうちは〜

お母(かあ)は秋保に嫁いで27年、実家に居たのが実質15年だから、秋保での暮らしが一番長いんだよ。秋保から実家までは車で1時間くらいの道のりだから、それほど遠くはないけど、嫁いですぐの頃は実家への思いが強くて、里帰りする車窓から見える景色が生まれ育った風景に変わってくると「あ〜、家に帰ってきたんだ♪」って嬉しくなったものなんだって。それがいつからか、実家から秋保に帰宅途中、川崎町の本砂金を過ぎて秋保町の石神〜竹ノ内の橋を渡って、坂をのぼりきって舘の町内会に入る辺りで「あ〜、ようやく我が家に帰ってきたんだなぁ〜♪」ってホッとするようになったんだってさ。お母(かあ)の我が家はもうすっかり秋保なんだよ。秋保のおじいちゃんが入院していたときちょっと認知症が進んでから、「家に帰りたい…」って願っていたから、一時帰宅したことがあったんだけど、家に着いて茶の間に入った途端、「早く家に帰ろう」って言い出したんだよ。「ここがじいちゃんの建てた家だよ。自分の家に帰りたかったんでしょう?
」って言っても「違う、ここは自分の家じゃない」っていうんだって。周りの人からよく同じような話を聞くよ… 。認知症の人たちの「家」ってどの家なんだろう? 生まれ育った家なのかな?。ぼくのおうちは。やっぱりお母(かあ)がいるこのおうちだよ。
今日の写真は、しばらくぶりの農業用溜め池だよ。