牛さんのこと…

お母(かあ)の実家では、最初は炭焼きをしていたんだけど、ガスや石油が普及して木炭の需要が減ってからは、小規模だけど酪農家(牛や山羊などを飼って乳を生産する)に転向したんだって。乳を搾るための「ホルスタイン」って種類の牛さんで、み〜んな白に黒ブチ模様だったんだってさ。牛さんたちはすごく大きかったけどみんなおっとりしていて、子供のお母(かあ)が近づいても蹴ったりしないし、鼻面や、ツノの間をガリガリ掻いてもらうのが大好きでうっとりした顔で「掻いて掻いて〜」って催促するんだって。牛舎の入り口に立つと、牛さんたちは大きな身体に似合わない優しい眼差しで一斉に顔を向けるんだよ。牛舎の中は家畜独特の匂いが溢れていて…でもお母(かあ)は匂いも含めて牛さんのことがすごく好きだったんだよ。昭和60年頃に酪農をやめたけど牛舎はまだ形を残していて、実家に帰った時に牛舎の入り口から覗くと…牛さんたちの息づかいや、餌をあげたり乳絞りをする父ちゃん母ちゃんの姿、美味しそうに草を食む様子、産まれてすぐに立ち上がろうと頑張る仔牛、「ベーベー」啼きながら売られていく仔牛、行く末を悟ったように振り返りながらトラックに乗せられる年老いた牛…あの頃の懐かしい記憶が甦るんだって…。お母(かあ)はぼくの鼻面も掻いてくれるけど、自分で掛けない部分だからとっても気持ちがいいんだよ。牛さんの気持ちが解るなぁ〜♪
ぼくのおうちでも、農耕用牛と、肉用牛を飼っていたことがあるんだってさ。「ナツキ君はでっかいねー!」ってよく言われるけど、牛さんはぼくなんかよりもっともっとも〜っとでっかいんだって\(◎o◎)/ 今日の写真は、小さい頃にお気に入りだった庭の片隅に久しぶりに寝てみたぼく。アレッ!?あの頃はもっと広〜く感じたのになぁ