林道にポツンと置かれたケージがひとつ…

林道の脇道の、大木の下にポツンと置かれたケージがひとつ…ケージは段ボール箱で雨避けがしてあって、ケージの中と周りには沢山の藁が敷いてあって…封を切られ手付かずの「ラピットフード」…ケージの中にも、近くにも生き物の姿は見えなかったけど…多分この様子から、どこかで飼われていたウサギさんが何かの理由で飼えなくなって、ぼくが毎日散歩しているこの林道に置いていかれたんだと思うんだよね。
ケージは開けっぱなしだからウサギさんは自由を手に入れたけど…林道にはキツネやイタチなんかの天敵が沢山住んでいるんだよ。
そのケージを見つけてしまったお母(かあ)は、1日中そのケージが頭から離れないんだって…夜になっても、真っ暗な山の中にポツンと置かれたケージと、ウサギさんの色んな状況を想像して胸がズキンとなるんだって…大お姉ちゃんに「ウサギさんのことを、お母(かあ)が心配したってどうしようもないよ。他人のお母(かあ)がそんなに心を傷めているんだから、飼い主さんはもっともっと心を傷めているはずだよ…だから思うのはもうやめなさい…」って言われて、なるべく考えないようにしているんだ。もしかしたら、大切に育てていたウサギさんが亡くなった悲しさを忘れるために、思い出の品を置いて行ったのかもしれないし…ね。
写真は、植物園のサクラの風景。今、カスミザクラが沢山咲いているんだ。