秋の気配探し…阻止される

朝の散歩は、久しぶりに天形(あまがた)林道へ行ったんだよ。お母(かあ)が「今日は林道のテッベンまで秋の気配探しに行こう〜」って言うから、張り切って先に先に進んでいったんだ。林道にはもう、クルミやトチノミが落ち始めていたよ。落ちた青いクルミは、お母(かあ)が好きな宮沢賢治の「どっどど、どどうど、どどうど、どどう、青いくるみも吹き飛ばせ、すっぱいかりんも吹き飛ばせ…」で始まる風の又三郎を思い出させるし、トチノミは、お母(かあ)が手のひらでキュッキュッって磨くと、ピカピカ光って「今年も実りの秋が来たよ〜♪」って言ってるみたいなんだって。そんな秋の気配に浸りながら、マッタリ歩いているお母(かあ)とは裏腹に、途中から嫌〜〜な臭いがして鼻をヒクヒクさせながら歩いているぼく…そしたらやっぱり、林道の先から「ギャッ!!」ていう声がしてサルの群れが 林の中を移動する音が聞こえてきたんだ。ぼくは「キャンキャン」吠えたてながらあっちへこっちへ追いかけ
まわして…結局、林道のテッベンまで行くのも、お母(かあ)の秋の気配探しもお預けになって中途半端な朝の散歩だったよ〜。
写真は、ジョロウグモと捕食後、巣から落とされたカラスアゲハ…あんなに力強く飛び回っているアゲハでさえ、クモから逃れるのは難しい……んだね…