お母(かあ)のオヤツは…

お母(かあ)が小学生の頃は、特別にオヤツなんてなかったから自分たちでオヤツの代わりになるものを確保していたんだって。友達と一緒に、春にはキイチゴ、ウグイスカグラ。夏にはクマイチゴ、親戚の家のグミやユスラウメ。それから畑の脇にはクワの実が沢山あって、口の周りや手を赤紫色にしながら夢中でほおばっていたんだよ。畑に行くとキュウリやナスがなっているからそれをもぎ取って、服でゴシゴシ拭いたらそのままかぶり付くんだ。各自マイ味噌持参で味噌をつけながら食べたキュウリの味は最高〜♪だったんだってさ。秋になると、アケビを求めてあっちの山〜こっちの山〜ってどこまでも探して歩いたんだ。大概お母(かあ)が木に登ってアケビを取る係りで、結構どんな木にでもスルスル〜ッって登れたんだって(今の体型からは想像できないけどね〜)。苦労して採るのはお母(かあ)だけど、アケビを分ける時はジャンケンで、お母(かあ)はジャンケンに弱いから大きなアケビは誰かの手に渡ることが多かったんだって。親がお店をやっている同級生がお店の商品をオヤツに持ってくることがあって、そんなときは分けてもらえたんだって。ご馳走になった「よっちゃんの酢漬けイカ」と「ガーナミルクチョコレート」…美味しかったなぁ〜♪。忘れられない懐かしい味…なんだって。お母(かあ)も友達に自分ちにあるものをご馳走したんだよ。それは「インスタントラーメン」なんだけど、昔はインスタントラーメンのハネモノを大袋に詰めて特売していて、それはお母(かあ)んちの主食のひとつだったんだけど、それを友達にご馳走したんだって。見つかると叱られるから、押し入れに隠れてそのままポリポリ食べたけど結構美味しかったんだって。友達受けは良かったけどラーメンの減りかたが早いことに気づいた親にばれてすごく叱られたんだってさ。お母が自分で作ったオヤツは、くず湯かな…お湯の代わりに煮立てた牛乳で作ったくず湯は最高に美味しかったんだって。 今はお金さえ出せばすぐに美味しいオヤツを食べられるけど、お母(かあ)の子供の時みたいに自分のオヤツは自分で探すのも面白そうだねぇ〜♪。そう思ってぼくも毎日、散歩のたびに実戦してるけど、変なものばかり拾い食いするからいつも叱られちゃうんだよ。
今日の写真は、初めてバンダナをした3ヶ月の頃のぼく(夏輝)だよ。(撮:大お姉ちゃん)